マヌカハニーとは、ニュージーランドのごく一部に自生するフトモモ科の常緑低木であるマヌカの木(学名:ギョリュウバイ)から取れるはちみつのことです。1300年代にこの地に住み着いたニュージーランドの先住民であるマオリ族はマヌカの木を「癒しの木」・「復活の木」と呼び、神聖なものとして古来より扱ってきました。マオリ族はマヌカの木の樹液や葉っぱを傷薬として使っていました。

マヌカの木はニュージーランド全土で見ることができ、南半球の夏にあたる日本の12月頃になると8~12mmほどの小さな白い花(自生種)を咲かせますが、その開花期間はたった4週間だけと非常に短くニュージーランドでもマヌカハニーを採取できるのは本当に僅かな期間だけなのです。しかも有効成分であるUMFが含まれているのは、ごく一部のマヌカの木だけなのです。

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1980年台になると、マヌカハニーだけが持つ特別な抗菌作用や治療作用成分があることが発見され、そして1991年にニュージーランドのワイカト大学のピーター・モラン博士が「マヌカハニーは他のはちみつにない特別な治癒成分を持っている。」とプレスリリースで発表してから、世界から一躍注目を浴びることになります。それまでのマヌカハニーはその色味と独特な味から、加工用にするか?捨てるかしかなかった時期もあったそうです。

その時にマヌカハニーの成分を表す基準として、UMF(ユニーク・マヌカ・ファクター)が設けられました。UMFとはマヌカハニーが持つ抗菌成分をフェノール溶液(消毒液)の濃度と比較して、同じ効果を得ることができる濃度を数値で表したものです。その数値が高いほど、より強い抗菌力を持つのです。

一般的に医療用はちみつとして扱われるマヌカハニーは、UMFが10+以上のものですので、ニュージーランドでもその生産量は非常に限られており、全体の20%にも満たないほどしか採取することができないのです。

その後2000年にイギリスのBBC放送をきっかけにイギリス全土がマヌカハニーに注目することになります。それはイギリス国内の5つの病院で行われていた難治性腫瘍の治療に際してのもので、髄膜炎による感染症が元で足先と手の指の先端のほとんどを失う経験をしていたアーロンくんが、9ヶ月もの間最先端の治療を施してもその信仰を食い止めることが出来なかったにも関わらず、マヌカハニーを9週間塗っただけで完治したというものでした。

ちょうど抗生物質の効かない耐性菌の問題が大きく取り上げられたタイミングだったこともあり、耐性菌による感染症や強い薬の副作用問題の解決の糸口として注目されたのが、マヌカハニーを始めとする”医療用はちみつ”だったのです。

更に数年後、ドイツのボン大学付属小児科病院でも小児ガンの治療においても一般的な消毒薬や抗生剤よりもはちみつのほうが効果をあげていることが報道されたのも医療用はちみつの広がりに拍車をかけました。

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2008年にマヌカハニー最大の謎を解いたのが、ドイツのドレスデン工科大学のトーマス・ヘンレ博士です。それまでのマヌカハニーは、UMFという基準でその殺菌力の強さなどを表していましたが、UMFの正体がMGO(メチルグリオキサール)とう物質であるということが突き止められたのです。

それだけではなく、2008年にUMFマヌカハニーはアメリカのFDA(日本の厚生労働省にあたる機関)が病院での治療用としても認可されています。

現在はドイツとニュージーランドで医療用はちみつの研究が進んでいますが、中近東やネパール、インドなどの地域でもその地域だけでしか取れないはちみつの成分を科学的に分析して医療用はちみつとして活用できないかという研究が進んでいます。

2008年以降、咽喉内潰瘍の予防や治療、癌の放射線治療後に副作用で起こる難治性口内炎の治療に成果があったと医学論文でも発表されています。このように医療用はちみつとして、世界的に注目を集めているのが、ニュージーランド原産のマヌカハニーなのです。